ウィザード

モーダルなUIのうち、複数のステップに分かれているものを「ウィザード」と呼びます。ここでは、ウィザードのデザインパターンを定義しています。

典型的な使いどころ

以下のような場合、モーダルなUIを複数のステップに分けることを検討します。

一連の操作の中に、複雑な操作を要するものを含む場合

通常のFormControlやFieldsetのほかに、「オブジェクトを検索して選択」「サンプルファイルをダウンロードして、編集してアップロード」といった複雑な操作を要するものを含む場合、その部分を1つのステップに独立させることで、ユーザーの意識を集中させることを期待できます。

条件分岐がある場合

ある項目でのユーザーの操作内容によって、後続の項目の有無や内容が大きく変わる場合、ステップを分けることで、条件分岐によるUIの変化が与える違和感を軽減できます。

パタメーターの入力を伴って「ワンクッション必要な操作」をする場合

ワンクッション必要な操作は実行前に確認のダイアログを表示しますが、この際にあわせて何らかのパラメーターの入力を伴う場合、「パラメーターを入力するステップ」と「確認のためのステップ」で構成されたウィザードを採用することがあります。

基本的な考え方

ウィザードを乱用しない

ウィザードは、一連の操作が終わるまでユーザーの行動を制限し、またシステムがあらかじめ決めた手順での操作を強制します。ユーザー自身で手順を覚える必要がない反面、自由な手順で操作できないため、ユーザーがストレスを感じる可能性があります。

ウィザードの提供は、それが特に有効である場合に限定し、乱用を避けましょう。

ステップの進捗を表示する

ウィザードは前後のステップの内容が見えないため、「あとどれくらいで一連の操作が終わるのか」がわかりにくいのが特徴です。

わかりにくさを軽減できるよう、可能な限り「全体でいくつのステップがあるのか」「今、何番目のステップなのか」を伝えましょう。

具体的な表示方法はウィザードのタイトルとステップの進捗を参照してください。

種類

モーダルダイアログによるウィザード

ウィザードは、基本的にはモーダルダイアログを使って提供します。SmartHRでは、専用のコンポーネントとしてStepFormDialogを用意しています。

ページ全体を使ったウィザード

他のモーダルなUIと同様に、表示したい情報が多い場合には、FloatAreaを使ってページ全体をウィザードにします。

構成

ウィザードは以下の要素で構成されています。

  1. ウィザードのタイトルとステップの進捗
  2. 前後のステップへ移動するボタン
  3. ウィザードから抜け出すボタン

1. ウィザードのタイトルとステップの進捗

ダイアログやページのタイトルエリアにウィザードのタイトルを簡潔に書き、その後にカッコ書きで {現在のステップ}/{総ステップ数} の形式でステップの進捗を添えます。

ステップごとのタイトル(任意)

それぞれのステップに固有の名前をつけることもできます。この場合、タイトルエリアにステップのタイトルを書き、ウィザードのタイトルとステップの進捗はその上に添えます。

Stepperによる進捗の表示

文字だけでの表記に加えて、Stepperコンポーネントでステップの進捗を表現できます。すべてのステップのタイトルが常に表示されるため、ユーザーはウィザードの全体像をより正確に把握できます。

ステップ数が多いなど、ユーザーに全体像を見せておきたい場合は、Stepperの採用を検討してください。

2. 前後のステップへ移動するボタン

ダイアログのフッターやFloatAreaに、前後のステップへ移動するボタンを置きます。

  • 左端に「前のステップへ戻るボタン」を置きます。ボタンラベルは 戻る とします。
  • 右端に「次のステップへ進むボタン」を置きます。ボタンラベルは 次へ とします。
    Primaryボタンを使います。

ただし、ステップの進捗によって、ボタンの有無やラベルが変わります。

最初のステップ

[戻る]ボタンは省略します。

途中のステップ

[戻る]・[次へ]両方のボタンを表示します。

最後のステップ

  • 右端のボタンは、ウィザードを完了する操作です。ボタンを押すと、処理が実行され、またウィザードを開始する前の画面に移動します。
  • ボタンラベルは、ウィザードの目的であるタスクが完了することがわかるものにします。

3. ウィザードから抜け出すボタン

  • すべてのステップにおいて、右から2番目の場所に、ウィザードを中断して抜け出すボタンを置きます。ボタンラベルは キャンセル とします。
  • ボタンを押すと、ユーザーがウィザードで途中まで操作した内容は破棄され、ウィザードを開始する前の画面に移動します。

エラー状態のアクセシビリティ

他のモーダルなUIと同様に、入力内容に不備がある状態であっても、原則として「次のステップへ進むボタン/ウィザードを完了するボタン」は無効化せず、ユーザーにボタンを押させた上で、エラーをフィードバックします。

詳しくは、モーダルなUI - エラー状態のアクセシビリティを参照してください。