多言語対応が必要な理由
SmartHRで多言語対応を考える理由は、大きく3つあります。
日本で働く外国人が増えている
日本で働く外国人は増え続けています。厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況によると、令和7年(2025年)10月末時点の外国人労働者数は2,571,037人で、前年比11.7%増となり、届出が義務化された平成19年以降で過去最多でした。外国人を雇用する事業所数も371,215所で、同じく過去最多となっています。
外国人労働者は、日本の就業者全体から見ると約4%程度です。また、外国人を雇用する事業所数は、民営事業所数と単純に比べると約7%程度、つまり14事業所に1事業所程度にあたります。
※厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出単位と、経済センサスの事業所の定義は完全には一致しないため、この比率は目安です。
これらの割合だけを見ると、外国人労働者はまだ少数に見えるかもしれません。しかし、人数・事業所数のどちらも増加しており、外国人従業員がいる職場は今後も増えていく可能性があります。SmartHRでは、職場に日本語の読解に負担を感じる利用者がいることを前提に、情報の伝わり方を設計する必要があります。
労務・人事の日本語は難しい
外国人従業員のなかには、日本語を学び、日常的な会話や業務上のやりとりができる人も多くいます。しかし、労務・人事の手続きで使われる日本語は、日常会話とは性質が異なります。
たとえば、「扶養親族」「控除」などの用語は、日本語を母語とする人にとっても難しい場合があります。日本語を学習している利用者であっても、こうした専門用語や制度上の表現を正確に理解することは簡単ではありません。
SmartHRで扱う情報は、入社手続き、年末調整、扶養追加、住所変更、書類提出など、利用者本人の生活や雇用に関わる手続きです。文言の意味を正しく理解できないと、申請内容の誤り、添付書類の不備、期限の見落とし、手続きの中断につながる可能性があります。
そのため、多言語対応では、難しい日本語をそのまま単語レベルで直訳するだけでは不十分です。利用者が自分に関係する手続きの意味を理解し、必要な情報を確認し、自分で正しく操作できる状態を目指します。その手段の1つとして、利用者がより理解しやすい言語で読める選択肢を提供します。
情報を理解できることはアクセシビリティの一部である
SmartHRでは開発方針別タブで開くのもと、誰もがサービスを円滑に使える品質を高めるため、アクセシビリティに取り組んでいます。
アクセシビリティでは、キーボードで操作できること、十分なコントラストがあること、動きを制御できることなど、操作や知覚に関する対策が重要です。それに加えて、手続きの内容や次に行なうべき操作が利用者に伝わることも重要です。
多言語対応は、そのうち「情報を理解できること」に関わります。利用者がより理解しやすい言語や表記で情報を読めることは、手続きの内容を把握し、自分で判断して操作するための支援になります。
また、適切な言語宣言、文言の一貫性、画面構造の維持は、スクリーンリーダーや機械翻訳などの支援技術が意図どおり働くための土台にもなります。Internationalizationでは、こうした技術面の準備と、翻訳後に画面や操作が破綻しないための設計・実装を扱います。
出典:
- 厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)別タブで開く
- 総務省統計局 労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)平均結果別タブで開く
- 総務省・経済産業省 令和3年経済センサス‐活動調査別タブで開く